仮性近視は治療で回復する?

学校の視力検査でお子さんの視力の低下が明らかになった場合には、できるだけ早い段階で適切な対策を行う必要があります。
その際注意が必要なのは眼科で改めて検査を受けて現在の視力や低下の状況をしっかりと把握しておくこと、すぐにメガネなどの矯正を行わないことです。

子供の視力の正確な判定はなかなか難しく、目が疲れた状態で検査することで低い数字が出ることもあります。

また、安易に矯正を行うと視力回復の機会を失ってしまい、かえって視力を悪化させてしまう恐れもあります。

こうした注意点は子供の視力には回復の余地が十分にあることを示しています。
実際子供の視力低下の多くは仮性近視と呼ばれる一時的な症状です。

本当の近視と思いこんで慌てて矯正を行うのではなく、一時的な症状を改善し、再び低下しないような環境を目指すことが第一なのです。
仮性近視のお子さんを持つ親が心配するのは視力の低下そのものではなく、低下させてしまう環境の方です。

家庭環境・生活環境が原因で視力が悪化してしまっている可能性もあるからです。
逆にそんな環境さえ排除すれば子供の視力を回復させることも十分に可能なのです。

仮性近視とは水晶体の厚さを調節して光のピントを網膜に合わせるための毛様体筋と呼ばれる筋肉がうまく働かなくなったのが原因です。
先ほどもあげたように一時的な症状のため、毛様体筋を回復させる対策を行えば視力も戻ります。

そのためにはそもそも疲労の原因となった習慣を改めるのが1番、ゲームやスマホ、ネットなど目を
酷使する環境をできるだけ遠ざけ、適度に目を休ませて毛様体筋の緊張状態を持続させないようにするのが効果的です。

また眼科ではミドリンをはじめとした毛様体筋を弛緩させる治療や、遠いものを見ることで緊張をほぐす望遠訓練といった対策も行われています。親御さんとして心配でしょうが、子供の仮性近視の回復は十分可能ですから回復しやすい環境を整えてあげることが大事だということを忘れないようにしましょう。